私が風になることができる自転車

私は子どもの頃から自転車に縁がありました。

それは、私の家が、同級生たちの住んでいる場所とは遠いこともあって、遊びに行くときには絶対必須の手段だったからです。

高校に通うようになってからは、移動手段として自転車に乗ることが減りました。引っ越しをして、すぐ近くに同級生たちがいたからです。

しかし、大人になって、また自転車に乗ることになりました。それは、健康診断でメタボと診断されたからです。自転車に乗ることで痩せよう、それがきっかけで自転車通勤をすることにしたのです。もう自転車に乗らなくなって20年経っていたので、とても懐かしく感じました。

最初は、自転車に乗らなくなった友人から譲ってもらった自転車で片道30分ほどかけて1年間会社に通いました。雨以外はずっと自転車でした。

1年近く走っていくと、自分の好きな自転車が欲しくなりました。1年も走ったからこれからずっと自転車に乗れる自信がついたからです。

その頃には体重も12キロ減っていました。逆に脚はもちろん腕や腹、背に筋肉が付きました。メタボから解き放たれた瞬間でした。

これからもずっと乗るという決心で、清水の舞台から飛び降りた気持ちで30万円の自転車を手に入れました。

今までの自転車とは全然違います。なぜかといいますと、私が買った自転車はアルミ製で、友人から譲ってもらった自転車よりも重量が半分くらい軽くなったからです。

走ったらより実感しました。踏めばグイグイ進みます。背中を誰からか押されている感じさえします。風が顔にぶつかり、それがとても気持ちいいのです。グングン走る私は、まるで風になった気分になりました。